アメリカン ルアーフィッシング入門!
「冬の暖かな日はフラットマックスの出番だ!」2016年12月号 Vol.106
寒い冬の間にも当然天候には変化がある。寒冷前線の通過は、その後の暖かな日の予兆となる。このように冬にも寒い日とやや暖かな日がある。ピート・ポンズは、冬の間にやってくる暖かな日、特に暖かな日が2~3日続いた後に釣行に出た時は、日光が良く当たる広めのフラットエリアでBandit(バンディット)の「フラットマックス・シャロー」を使って釣りをするのが大好きだ。
「フラットマックス・シャロー」は、まるでバイブレーション・ルアーのように使え、バイブレーションが効く状況では特に効果的だ。「フラットマックス」は、その名が示すようにボディー形状がフラットサイドで、タイトなウォブリング・アクションが特長で低水温時の実績が非常に高い。しかも抑制されたラトル音により、より繊細なアプローチが可能になっている。ポンズは、先ずフィールドの中でも水温が高くなる北西のバンクから連なるフラットエリアを探す。このパターンは、水温が40~50°F (5~10℃)ぐらいがベストコンディションだが、水温が上がりつつある傾向も重要だ。水生植物のハイドリラやミルフォイルを切り裂いていくようなプレゼンテーションと言うわけでは無く、グラスの存在の必要性はさほど高くはない。事実、ポンズは元々はグラス・パターンの一種だと捉えてグラスが繁茂するレイクなどのグラスフィールド・パターンと考えていた。しかし、経験上ベジテーションの有無に関わらず水温が上がる傾向があるフラットエリアの釣りだと今は考えている。
ポンズは、ヨーヨー・プレゼンテーション、つまりウォブリング・アクションの間にキルを入れ、ルアーが一瞬静止してからゆっくり浮き上がるというリトリーブパターンを繰り返していく。このリトリーブ方法によって、魚はルアーが潜っては浮き上がるという動きに対してリアクションバイトをしてくるのだ。バスの口に外掛かりをする場合もあることから、このリトリーブ方法がフッキング・チャンスを広げていると考えている。ほとんどがリアクションバイトで、おそらくルアーの動きにバスがイラついてバイトしたもので食性ではないと解釈している。非常に重要なことは、もしバイトしてきたか、あるいはミスバイトであったとしても、そのエリアには少なくとも7~8回はキャストを繰り返すべきだということだ。一年を通して今の時期は、バスは群れる傾向がある。したがって、何十分にも渡って魚からの反応が全くないことも珍しくないし、逆に短時間に何匹もの魚が釣れることも珍しいことではない。しかも、同じエリア、同じスポットであっても同じことだ。
ポンズは、特に冬場は夜の気温に気を配り、春になるまで夜の気温には神経質になる。もし夜の気温が20°F(-6℃)まで下がったら、ポンズは「フラットマックス」をルアーボックスに仕舞い込んで出番はないと予測する。しかし、夜の気温が辛うじて30°F(-1℃)あたりまで上昇する傾向がみられるか、5℃ぐらいをキープして変化がないか、もしくは10℃まで上がっていれば、少なくとも「フラットマックス・シャロー」をリグったロッドを1本は必ず準備しておく。