アメリカン ルアーフィッシング入門!
「初めてのトップウォーターバス」ジェフ・サムセル/ 2016年10月号Vol.96
40年前に釣った私の初めてのArbogast(アーボガスト)の「フラ・ポッパー」バスが、私にとって生涯初のトップウォーターバスであり昨日のように思い出す。家族で行ったキャンプでの出来事で、釣りというものの核心に一歩近づくことができたような気がした。釣りが好きな10才の少年にとってその出来事は大きな衝撃で、その夜は眠れなかった。
初めて買ったブラック・カラーのフラ・ポッパーをリグり、前日散策したクリークの一部が池のように広がったスポットに向かった。ルアー・パッケージの説明には、「キャストして着水点の波紋が消えるまでルアーをポッピングさせるな」と書いてあったので、私はその通りにしていた。
周りは鏡のような水面を一匹のフロッグが泳いでいただけだった。空が白々と次第に明るくなってきて、フロッグや虫たちも音を立てることなく全く静かな空気が流れていた。
6投目だった。私はポイントの向こう側にキャストしバンクの際にルアーを着水させた。この時すでに波紋が消えるのを待つのが少々辛くなってきてはいたが、説明書きに対する信頼がまだ残っていたのが幸運だった。ようやく波紋が消えて、最初のスナップを入れたと同時に突然強烈なアタックが起こり凄い力で私のロッドをシャープに引っ張り曲げたのだ。フッキングは完璧だった。というのも、あまりにも突然だったのでストライクに反応するには興奮し過ぎていて、そしてどうすべきかという経験もなかったのが幸いした。7~8回の強烈なジャンプの後、4ポンド(その時点では、私が釣ったことがある魚の中で最も大きな魚だった)のラージマウス・バスをランディングし、その場に立ち尽くした。フックを外す手は震えた。次に私は周りを見回し、私が成し遂げたことを誰かに見てもらおうと思った。しかし、そこの周りには誰もおらず、少し長めに喜びを味わった後にバスを水に戻してから釣りを再開した。その朝は、この記念すべき魚以外は釣ってはいないと思うがよく覚えていない。