「プラドコプロ達の実践スポーニング攻略法(その1)」
冬から春にかけてのバスフィッシングは、「プリスポーン」、「スポーン」、「ポストスポーン」というバスにとって重要な産卵プロセスを念頭においたアプローチが肝心となる。バスはスポーニングに絡むこの時期には、アグレッシブになり、かつシャローに居つく傾向が強くなる。したがってこの時期はアングラーにとって大変魅力的な釣りが楽しめる。そこで、プラドコプロ達にスポーニング攻略法について聞いてみた。

【セントジョーンズ・リバー/ フロリダ:プリスポーン】テリー・スクロギンス
フロリダでは、バスのスポーニング期間は長く、少なくとも2か月、フィールドによっては4か月ぐらい続く。レイク・ジョージには、ジュピター、ソルト、シルバーグレーという3つの大きな水源から温かな水が1月から3月下旬にかけて流れ込む。この温かな水は、レイク・ジョージの下流30マイル(48キロ)と50マイル(80キロ)上流のセントジョーンズ・リバーにまで影響を与える。B.A.S.S.マスター・エリートプロのテリー・ビッグショー・スクロギンスによると、セントジョーンズ・リバーの現在の水温は57~59°F(16.8~18.5℃)だそうだ。川バスは62~65°F(19.5~21.5℃)でスポーニングに入り始めるので、今はプリスポーンの終盤期に当たるとのことだ。スクロギンスは、セントジョーンズ・リバーで長く釣りをしてきて一つのパターンを見出している。シェルバー(牡蠣床)とレッジ(ドロップオフのエッジ)のパターンだ。3~8フィート(90センチ~2.4メートル)のレンジにあるこれらのボトム変化は魚探で探すことは容易だが、その様な場所は、カレントが強く当たり渦を作ることもあるので全てがよいポイントというわけではない。
【プランA】エクスキャリバーXrk50 1120円 | |
スクロギンスの冬から「プリスポーン」にかけてのシェルバー(牡蠣床のような貝類が積み重なり生息するポイント/ベイトフィッシュが集まり易い)の攻略法は、XCALIBUR(エクスキャリバー)のワンノッカーによるボトムホップだ。先ず、ワンノッカーをボトムまで沈めてから、ロッドチップを10時の位置から12時の位置へとしゃくり上げてスローにホップさせる。瀕死のベイトフィッシュをイメージしてルアーをフォールさせればフォール中にバイトがあることが多い。ラインから目を離さないことが大切だ。カラーは、フォクシーママから始めるとよい。 |
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【プランB】ボーマーBD6F 1070円 | |
同じシェルバーやリッジに対して、スクロギンスは1/2オンス(14グラム)のBOMBER(ボーマー)のシトラスシャッド・カラーのファットフリーシャッド・パターンも勧めている。 |
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【プランC】ヤムYSR4 580円 | |
プランAとBは、どちらかと言えばデカバス狙いだ。もし数釣りや速い釣りを望むならキャロライナリグがよい。スクロギンスは、普通1オンス(28グラム)のエッグシンカーを使い、メインラインには15ポンドのフロロカーボンラインを、リーダーの長さは4フィート(1.2メートル)ぐらいに調整して用いる。トレーラーには4.75インチ(12センチ)のYUM(ヤム)のスワームがよいだろう。カラーは、グリーンパンプキンやマレットなどのダークカラーを選ぶとよい。 |
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【プロのアドバイス】ヤムYSSR4・YSSR6 580円 | |
常に移動することだ。寒冷前線の通過は春には避けて通れない現象なので、フロリダでは特にこのタイミングではタフなコンディションになる。そのような場合は、キャロライナリグのトレーラーをYUM(ヤム)のシャープシューターにダウンサイジングするか、ドロップショットリグに切り替えるとよい。ドロップショットリグの場合もシャープシューターは効果的だ。 |
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【 トレドベンド・リザーバー/ テキサス:プリスポーン 】ゼル・ローランド

テキサスとルイジアナにまたがる広大なリザーバーでは先ずシャローポイントに注目すべきだ。沖のシャローにクロモが繁殖しているエリアがターゲットだ。B.A.S.S.エリートプロの大ベテランであるゼル・ローランドは、プリスポーンバスに対して3つの攻略法を上げている。
【プランA】スミスウィックASDRB1200 950円 | |
ローランドのファーストチョイスは、SMITHWICK(スミスウィック)のサスペンディング・ログかパーフェクト10ログだ。ローランドは、グラスエッジに沿って素早く移動しながらドレイン(テキサスアングラーは、浅い溝のことをドレインと言う)、エッジ、ポケットあるいはグラスのまばらなスポットなどの変化をチェックし、それらの場所にステージングしているバスを狙ってキャストを繰り返していく。もしバイトがあればそのスポットにバスが固まっている可能性があるのでじっくりとそのスポットを攻めてみよう。 |
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<よく観察しよう > |
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【プランB】 |
セカンドチョイスは、キャロライナリグでのグラスエッジのドラッギングだ。ローランドは、5インチ(12.5センチ)のYUM(ヤム)のディンガーやウーリーバグ、あるいはリザードを1/2オンス(14グラム)のシンカーの先に結んだ3~3.5フィート(90~105センチ)のリーダーにセットして使う。カラーは、水の相対的濁度によるがブラック/ブルー、グリーンパンプキン、ブラックネオンなどをダークウォーターコンディションで、シャローウォーターではウォーターメロン/レッドフレークを使うことが多い。 |
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【プランC】エクスキャリバー Xr50 1120円 | |
XCALIBUR(エクスキャリバー)のXR50(ラトルベイト)でグラスを狙う。カラーは、レッド系がよく効くがクローム/ブラックバックもよい。。 |
【 プロのアドバイス 】

ログのリズムは、一般的に言われるバスのバイトを得るためのトリガーとしての誘いの要素だけではなく、バスがいるレンジにログを送り込むための重要な要素でもあるのだ。
ロングキャストしてサスペンディング・ログにジャーキングアクションを入れると徐々に潜る。つまり「3段ジャーク」は「2段ジャーク」よりも少し深めのバスにアピールするし、「4段ジャーク」は「3段ジャーク」よりも若干深めをターゲットにするという具合だ。狙うレンジを考えてアクションを変えていくのだ。
【 ファルコン・リザーバー/ テキサス:スポーン 】アルトン・ジョーンズ
テキサス南部のファルコン・リザーバーは、サパタにあるリオグランデ・リバー・リザーバーの水位変化によって、水が流れ込んだり流出したりという影響を受けている。水が流れ込むタイミングが数とサイズ共に良くなる傾向がある。ファルコンのバスのファイトが如何に凄いか聞いたことがあるだろうが、まるで別の魚のようなアグレッシブなファイトを楽しむことができる。テキサス人のアルトン・ジョーンズは、水温が60°F(16℃)になれば、水位も上がりバスがスポーニングへと移行すると言う。このバス達はとびっきりのバスだ。B.A.S.S.マスター・クラシックのチャンプであるジョーンズはいくつかのシンプルなアドバイスを我々に教えてくれた。バスは波や強いカレントの影響を受けない場所でスポーニングをする。水没したブッシュやクリークの上流部などを水位によってキャスティングあるいはピッチングで狙っていこう。狙うべき水深は1~3フィート(30~90センチ)。ファルコンは濁りが強いのでスポーニングベッド(ネスト)を見つけることは難しい。水没した灌木の中にできるだけタイトにルアーを送り込む。ベイトの瞬間的な気配にバイトさせるというより、ボトムをしっかりと取りながらじっくりとバスを刺激しよう。スローなフォールが可能でしかもきちんとボトムが取れるウエイトである1/8オンス(3.5グラム)のLINDY(リンディー)のスリップシンカーに6インチ(15センチ)のYUM(ヤム)のディンガーかクリスティー・クリッターをセットする。(注:スリップシンカーリグのウエイトとして考えるならばエクスキャリバーのバレットシンカーでもよいと思います)風が強ければボトムをきちんと感じるのに必要なウエイトに替えるとよい。カラーは好きなカラーでよいが、ルアーを背景に馴染ませ、シェークを入れる、そしてまた馴染ませるという繰り返しだ。馴染ませる(ポーズ)時間は色々と試してみるとよい。ジョーンズの場合、長い時は1分程ポーズを入れる。もしこの方法が効かなければ、場所を移し同じアプローチを試してみよう。何か所も良さそうなカバーをうっても反応がなければこのスポーニングパターンは諦めてプリスポーンバスを探そう。ワーム以外では、BOOYAH(ブーヤー)のパッドクラッシャーがお勧めだ。表水温が70°F(21℃)を越えれば、このパターンもありだ。
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![]() XTG-W 860~1260円 |
【プロのアドバイス】 |
リザーバーの流入河川には色んな木々が生えている。それらの木をよく観察してみると、その中に何がしかのパターンを見出すことができるだろう。釣りは、まさしく適切なカバーを見つけ出せば、必ずよい結果を伴う最良のパターンが見出せるはずだ。 |