「フラポッパー入門!!」ローレンス・テーラー
昔からよく「濁りが強い時には、スピナーベイトかラトル入りのバイブレーション・ルアーがよく効く。」と言われていた。この濁りに強い二つのルアーを組み合わせたのが、アーボガストのフラポッパーだ。心臓破りのルアーと言われるほどの激しいストライクが楽しめることでも有名だ。ステインウォーターでは、クリアウォーターよりも激しく強烈なストライクに遭遇することが多い。濁りが強いフィールドのバスはフィーディングの時、視界が悪いこともあって視覚よりもむしろ音や振動に反応する傾向がある。フラポッパーが50年以上も第一線で活躍できている理由の一つは、濁度の高いフィールドでの実績が絶大だからだ。フラポッパーは、ユニークな窪んだ口のようなヘッド形状が特徴的だ。レーベルのポップRやヘドンのチャグンスプークで見られる丸みのある曲線的なヘッド部分のカップ形状とは若干異なり、フラポッパーのカップは、それよりもやや大き目で、かつ、内面が平坦にデザインされているために、ポッパー・ルアーのそれよりも、より大きい音が、しかもより深くまで鳴り響くのが特徴だ。強めにトウィッチすると水面に野球ボール大の水しぶきと共に、
他のトップウォーター・ルアーでは聞いたこともないような特徴のある大きなサウンドを出してくれる。しかも、他のトップウォーター・ルアーではアクションを付けると大きな水しぶきは出せるが、フラポッパーのようにポーズ中もバスにアピールすることができるルアーは無いだろう。テール部分のフラスカートは、クモのようでもありのろまで不注意なカエルの足のようでもあり、常に不規則に動いてはバスにアピールをしてくれる。バスがこの動きを見て、何をイメージしているかは分からないが、水しぶきと補食音のような大きな音がした方向には水面に何がしかが浮かんでおり、その何かの後ろ足かヒレのようなものが怪しく見え隠れしているように見えているはずだ。ステインウォーターかマッディーウォーターでのフラポッパー・フィッシングはスローな釣りがベストだ。ロッドでフラポッパーをトウィッチさせてから、30秒は少なくともポーズさせよう。ルアーにアクションを加えなくてもその位置でスカートの足は動き続けるので、まるで油断している餌のように見えてバスは
襲うチャンスと判断してしまうのだろう。より濁りの強いフィールドでは、さらにスローなアプローチが効果的だ。その様なマッディーな状況で使えるもう一つの技は、ループノットやスナップではなくラインアイに直接ラインを結紮して、ノットに接着剤を塗ってアイにラインを固定するやり方だ。ラインアイとラインとの遊びが少なくなる分トウィッチした時の入水角度が若干変わり、フラポッパーはより深くダイブし、より大きなサウンドを生み出してくれるようになる。もちろん状況によっては、ループノットが有利になることもあるので濁度などの要素とバスのコンディションを見極めて判断しよう。皆が考えているよりもスローなアプローチが効果的な場合が多い。