「10月下旬の攻略法 ブラッド・ウィーグマン」
ベイトフィッシュの群れが動物性プランクトンを求めてワンドに集まり始めると同時に、バスをはじめとする魚食魚も集まってくる。この一連の食物連鎖は夜になってベイトフィッシュやバスがワンドから消えるまで続く。アーカンサスでは、毎年10月の数週間このような光景が繰り広げられている。おそらく南部では11月まで、北部ではもっと早い時期に同じような光景が見られるはずだ。このような10月下旬のパターンは、季節が秋へと進み、紅葉が見られターンオーバーが起こるこの時期に始まり、水温が50°F(11.7℃)より下がってしまうとこのパターンは終わりを告げる。ターンオーバーが起きることによってフィールドのどのエリアに魚が移動したかを突き止めなければならない。多くのバスは、クリークや広いフラットエリアなどのベイトがいるエリアにいるはずだ。早朝や夕刻にはクリークやワンドに補食のために移動しているベイトについてバスもいることが多い。ローライトコンディションは、バスにとってフィーディングに有利なため捕食行動も積極的だ。日が昇るに従い、ベイトフィッシュも、そのベイトについているバスも少し深めのフラットエリアなどがあるメインレイクに移動していることが多い。風が吹くことによって、バスの補食行動にスイッチが入ることがある。その現象は、ベイトフィッシュが風下のバンクに押し寄せられるからではなく、ベイトフィッシュが餌にしている水面を漂う動物性プランクトンが風下に押し流される結果、ベイトフィッシュが捕食のために風下側へ移動しているのだ。フラットエリアでもベイトとバスの関係は変わらない。フラットエリアでもバスはベイトの群れが来るのをうろうろしながら待っている。フラットエリアでバスがベイトを捕食するのに遭遇すると、メインレイクの水面でバスがベイトを追いまわし、パニックになったベイトが逃げ惑うという光景をよく目にするはずだ。10月に見られるターンオーバー絡みの泡だらけのボイルにキャストするルアーは、ヘドンのスプークが定番だが、もし、ビッグバスを狙うのであれば、トップウォータールアーがベストチョイスではないこともある。ベイトフィッシュの真下には小さ目のバスが付いていることが多く、大き目のバスは、忍耐強く捕食しやすい弱ったベイトが下に沈んでくるのを待っていることが多いようだ。この傾向から、ビッグバスを狙うのであれば、ベイトのいる位置より若干距離を置いた下の方にいるバスをターゲットにした方がよいだろう。この戦略に好都合なルアーは、バイブレーション・ルアーだ。シンプルなキャストとリトリーブでもバスは反応してくれるかもしれないが、確実な釣果を望むなら10月のバスには一工夫が必要だ。つまり、バイブレーションのラトル・サウンドでバスにスイッチを入れるのだ。エクスキャリバーのラトルベイト(XR25,XR50,XR75)は、複数のラトルボールが入っているタイプだが、ベイトフィッシュの群れが正にフィーディングしているようなハイピッチ(高音)なサウンドを発してくれるバイブレーションルアーだ。一方、エクスキャリバーのワンノッカー(XRK25,XRK50,XRK75)は、リトリーブすると「コン、コン、コン」という特徴のあるローピッチ(低音)なサウンドを発してくれる。このワンノッカーのローピッチ・サウンドは、普通の、あるいはハイピッチなサウンドに慣れたバスにとっては我慢できない衝動に駆られる、いわゆるバスのスイッチを押してくれるサウンドだ。音は、ルアーにとっての特長を決める要素の一つだが、サイズもまたルアーのアピール力や特徴を決める大事な要素である。チョイスするルアーサイズは、ベイトサイズを参考にするのも一つの手だ。また、リトリーブの仕方によって、数やクオリティーなどの釣果が左右されるだろう。
私がガイドをしているビバーレイクでは、クランクベイトよりも、バイブレーション・ルアーのリフト&フォールの方が、比較的サイズが大きいバスが反応することが多い。リフト&フォール・テクニックが難しくないものメリットの一つだ。ルアーをキャストしボトムまで沈め、ルアーのバイブレーションをちゃんと感じながらロッドチップを引き上げる。11時の角度でロッドを止め、スラックラインを僅かに出した状態でルアーをフォールさせる。殆どのストライクがフォール中に起こることが多いので、ラインから目を離さずに絶えずロッドに伝わる当たりを感じる様に集中しよう。カウントダウン・テクニックは、バイブレーション・ルアーを使う上で有効なテクニックだ。リフト&フォール・フィッシングのように水面を決して割って出てこないバスに対して、ルアーを弱ったベイトフィッシュが沈んでくるように見せるためにもカウントダウン・テクニックは必要なテクニックだ。そもそもカウントダウンをする理由は、バスがどのレンジにいるかを知るためであり、または、目的のレンジに対して選択的にルアーをアプローチするためでもある。魚探にバスを示すアーチ状の魚影を見つけたら、1フィート1秒でカウント(使用するルアーによって沈下スピードが変わるので、使うルアーの沈下スピードを予め知っておくと便利だ)し、目的のレンジにルアーが到達したらリトリーブを始めればよい。もしバスの反応が悪ければ、出来るだけ速いリトリーブスピードで巻くのも試して欲しい。びっくりするようなストライクが得られるかもしれない。これらのテクニックは、1/2オンス~3/4オンスのバイブレーション・ルアーで効果的だ。もちろん、シャローウォーターやあらゆるカバーやストラクチャー周りでも使える。広く探る意味でもキャストの距離は重要で、時にはルアーにウエイトを追加する必要性を感じるかも知れないが、そんな時はブーヤーのブー・リグにバイブレーションをリグるのも一つの手だ。