アメリカン ルアーフィッシング入門!
「真夏のバスフィッシング」2017年8月号Vol.119
バスプロのジミー・メーソンは、真夏の攻略法としてディープクランキングを勧めている。アラバマのレイク・ウィラーにはブラシパイルが沢山見られるが、メーソンはここで釣りを学んだ。父親と一緒に夏の間中、ディープにあるブラシパイルで沢山の魚を釣った。特に、4時間限定の賞金を懸けたナイトゲームのトーナメントではそうだった。実際のところ、週の内3日はトーナメントで釣りをし、残りの4日はやはりブラシパイル釣りをした。メーソンの場合、ブラシパイル・フィッシングで使う定番ルアーはビッグクランクベイトとスピナーベイトとワームの3つだ。クランクベイトでビッグフィッシュが釣れることが多く、日中にやるブラシパイル・フィッシングでのマストルアーは、NORMAN LURES(ノーマン)の「DD22」だ。
【クランキング・アプローチ】
三角測量法かGPSを使ってブラシパイルの位置を確認するか、キャスティングでブラシパイルを探し出すか、魚探によってブラシパイルを見つけ出したら、マーカーブイを投下して位置を明示する。「より確かなプレゼンテーションをするために、ブラシパイルの位置をマーカーブイを使って確認しよう。」メーソンは、ブラシパイルのディープサイドを狙うために、シャロー側にキャストしてブラシパイルへと徐々に潜行させていく。目的とするゾーンにルアーが到達すれば、ブラシパイルにルアーがコンタクトしているのをラインテンションで感じることができる。ブラシパイルに根がからないよう、ブラシパイルの上端をうまくコンタクトさせながらルアーを泳がせるためにもスローなプレゼンテーションが必要だ。ブラシパイルにルアーが根がかるのを防ぐと共に、ブラシパイルをフックに引っ掛けてくるのを最小限にする上でもスローなアプローチがとても重要なポイントとなる。ラインテンションの微妙な感覚がわかれば、ブラシパイルの中へのクランクベイトのワーミングも可能になる。
数分間クランキングをやった後に、メーソンはよく10インチのYUM(ヤム)「リボンテール」にスイッチし、クランクに反応を見せなかった魚に対して数投アプローチをしてみることがある。次いで、ブラシパイルの周りをスロープに対して直角に平行引きして、異なった角度からのアプローチを試してみる。その後、再びシャローサイドを狙うか、もしくは別のパイルへと場所を移動する。スクールフィッシュではない数匹のバスが付いているブラシパイルを狙っていく。もし5匹以上のバスがいれば、それらはスクールフィッシュかもしれない。メーソンは、10分以上同じブラシパイルを釣ることはめったになく、次々と別のブラシパイルを狙うために移動を繰り返す。メーソンは、必ず魚が付いているブラシパイルを知っていて、そのようなパイルは一日に4~5回はアプローチする。「このようなパイルは、最初か2回目のアプローチに最大魚がバイトしてくることが多いので、少しポイントを休ませてから再び戻ってくることも多い。」
【ブラシ・クランキング・ギア】
ディープ・ブラシパイルにつくバスは、ほとんどがシャッドを捕食しているのでシャッド系のカラーパターンを使うことが多い。セクシーシャッド、ナッターシャッドやチャートリュース・ブルーを好んで使う。特に光量が少ないディープゾーンでは、チャートリュース・ブルーが実はベイトフィッシュライクに見えるということを知っておくべきだ。ディープブラシをクランキングする時、メーソンはフロロカーボンではなくナイロンラインを使っている。何故なら、ブラシの上端を引いてくる時にルアーが浮き上がりやすいように、より浮力のあるナイロンラインを使っているのだ。また、クランキングでは、ロッドはファイバーグラス製ではなくグラファイトロッドを使うことが多い。理由は、ルアーがブラシにコンタクトした時のラインテンションの微妙な感触をしっかりと感じとりたいからだ。リールは、5.3:1のギア比を使っているが、より大事なことは同じスピードでリーリングすることだと考えている。リーリングスピードやロッド性能やライン性能をいつも同じにしておくことで、手に伝わる感触の変化が何を意味しているのか、何が起こっているのか、ルアーの位置が何処にあるのかを正確に感じ取ることができるとメーソンは言っている。
【ブラシパイルの位置】
メーソンが釣りをする場所の多くは、何年も彼が釣りをしているフィールドなので、GPSには数えきれないほどのブラシパイルの位置がマーキングされている。もし彼が、ほとんど経験がないフィールドでブラシパイル・パターンをやるのなら、先ず釣りを始める前に、理想的には別の日に魚探を使ってサーチを行い、ブラシパイルの位置を探し出すだろう。メインウォーターかメジャーな支流の下流域をターゲットにしてブラシパイルの位置を探すが、ディープフラットや他の釣り人が見向きもしない、何の変哲もないエリアでブラシパイルを探すこともする。ピクイックのようなメインウォーターに強いカレントがあるフィールドでは、少なくとも強い流れをプロテクトするようなエリアによいブラシパイルがあるはずだ。自分がブラシパイルを沈めたいと思う場所を考えながら探すと、よいブラシパイルを見つけることができるものだとメーソンは言う。