アメリカン ルアーフィッシング入門!
「学び続けよう/モスボス・ヒロ内藤」2016年6月号 Vol.77
猫が背中から落ちるのを見たことがあるだろうか?猫はバランス能力に優れているのでちゃんと足で着地する。このような完璧なバランスを持つルアーがある。
Heddon(ヘドン)のモスボスだ。このルアーは、フックポイントを上にした姿勢を常にとる。モスボスは、1980年に市場に登場した。ウォーター・ベジテーションのようなヘビーカバーを果敢に攻めるルアーとしてデザインされたものだ。
ヘドン モスボス X0510·X0515 1,050円(税込)
しかしながら、よく見るとこのルアーにはウィードガードも何もついていないのだ。
まるでオープンフックのスプーンタイプのルアーのようだ。私は基本的に、新しいアイデアや新しい商品に先入観をもつことはあまりないのだが、時として私の釣り人としての常識が邪魔をしてしまい、魚を釣ることができるチャンスを逃すことがある。正直、最初はモスボスをタックルボックスに入れることは無かった。というのも、このルアーはキャストする度に根がかりするはずだと思っていたからだ。
発売されて数年が経ち、私は友人からモスボスで沢山のバスを釣ったという話を聞かされた。私は彼に「ヘビーカバー・フィッシングをする時に根がかりしなかったか?」と聞いた。
友人はにっこりとほほ笑んで「お前はまだモスボスで釣りをしたことがないだろう?一度使って見ろ。それから話をしよう。」と答えたのだ。
私がモスボスを最初にキャストした時に思わず口をついて出た言葉は「ワーオ!」だった。根がかりするだろうスポットにキャストしてリトリーブしてみた。すると何の問題もなくカバーをすり抜けてくるのだ。
そこで、私はよりヘビーなカバーにモスボスをキャストしてみた。私は難なく私のモスボスデビューを祝福するかのように2匹のバスをキャッチした。私がモスボスの虜になるのに大して時間はかからなかった。私の基本的な使い方は、他のモスボス・フリークと同じだ。例えば、もしグラスマットを釣る場合は、ただ引きでいい仕事をしてくれるだろう。
ポケットやオープンウォーターで釣りをする場合は、トウィッチング・アクションを加えるとよい。同じポケットに2回、3回と繰り返しキャストする場合は、ルアーがオープンウォーターに出たところでポーズを入れてみよう。3~4インチ(7.5~10cm)沈めて、水面へ引き上げる。このアクションが多くのバスを狂わせるのだ。私が見つけたもう一つのユニークな使い方として、モスボスをスイムベイトのように使うというのがある。
ルアーの18インチ(45cm)先にバレット・シンカーを付けるのだ。やり方は、ただキャストしてスローにリトリーブするだけでよい。モスボスは、常にフックポイントを上にして8の字を書きながらスイミングする。
アンカーポイントとして使うバレットシンカーのウエイトを変えることによって泳がせるレンジをコントロールすることができる。
タックルセッティングのアドバイスは、ロッドは充分なパワーを持ち、カバーからランカーバスを引き出す時に必要十分なラインを使うことだ。
私の場合は、6.5フィートのミディアム・アクションのロッドに60ポンドのブレイデッド・ライン(PEライン)を組み合わせている。私はモスボスについて質問された時はいつも、にっこりとほほ笑んで「モスボスを使ったことがないでしょう?モスボスのエキサイティングな釣りを好きになることは請け合いですよ。」と答えている。