「ビッグショーのバズベイト講座」
2015年11月号Vol.64
ビッグショーことエリートプロのテリー・スクロギンスは、プロのバスマンとして、全米のいたるところで、そして沢山の異なるシチュエーションやコンディションで釣りをしている。
このことは、多くの戦略と多くのルアーに精通しなければならないことをも意味している。
一方で自分が自信を持っているルアーであれば、何処であろうが、どんな状況であろうが問題なく魚が釣れるという自信があるルアー(コンフィデンス・ルアー)を持つことも大切だ。汎用性が高いルアーと言えば、色んなルアーがバズベイトよりも先に思い浮かぶ。
しかし、バズベイトというルアーは、私にとって絶大な信頼を置くことができる、まさに魚を釣る本当に実力があるルアーだと言えるのだ。
どのような状況下でも釣れるとまでは言わないが、朝や夕刻、あるいは曇りの日などのローライトコンディション下でのトップウォータールアーとしては非常に効果的なルアーとなる。
私が行くどのフィールドでも、私は必ずBooyah(ブーヤー)のバズベイトを準備していくが、ここぞという時に自信を持って投げれるルアーなのだ。私がバズベイトを使う最も多いパターンを3つ上げよう。
【スポーン/ポストスポーン】
ビッグバスを狙いやすい時期だが、このタイミングでのバズベイトは効果的だ。
多くのビッグフィッシュがシャローに移動しているが、ルアーに対し口を使う理由はいくつかある。
バスがネストにいる時のバズベイトは、彼らを驚かしたり、刺激するのに打ってつけのルアーなのだ。
南側に面したグラスベッドを横切るようにバズベイトをキャストしグラスの抜けたサークルを通過させる時、つまりバスの頭上をバズベイトが通る時にバスは我慢ができず口を使ってしまうのだ。このサークル状のネストは、偏光グラスを使えば明るいカラーのスポットとして見えるはずだ。
ローライトコンディションでは、アンバーカラー(イエローブラウン、琥珀色)のレンズが向いている。バイトを得るためには、必ずしもネストの位置が確認できなくてもよい。もちろんネストの存在が分かればターゲットが絞りやすくはなるが、バスの習性から考えて彼らが好んでネストを作るシャローベジテーションなどにブラインドでキャストすればネストの位置は探し出せるだろう。
探し出せれば、あとはその周囲にネストがかたまっている可能性が高いので次から次へとバイトが続くことにもなるかもしれない。
次に、産卵後一旦魚がネストを離れると、メスはディープサイドへと移動し体力の回復をはかる。
そして、そのメスたちが捕食行動を再開する準備が整ったら再びシャーローに移動するので勢いバズベイトにバイトすることになる。
ここで更に思い出して欲しいのは、シャローエリアには孵化した沢山のフライ(稚魚)がいて、そのフライを守ろうとするオスがいるということだ。そこで、そのフライ目がけてバズベイトを投げれば、今度はオスがバズベイトにアタックしてくるという寸法だ。
【マッディーウォーター】
河川や止水域に雨が降ると水が濁る。そうなると、バスはバンクに寄り添い、できるだけシャローサイドに、そしてカバーにタイトに付く傾向がある。
この状況は、アングラーにとって魚の居場所が絞りやすい反面、バスにとってはルアーの存在に気づきにくくなる。この点、バズベイトが作り出す音と波動は魚にとって気づきやすいという特長がある。
この様な状況下では、ロングキャストは必要ないので3/8オンスのバズベイトを投げる場合が多い。
何故なら、ウッドカバーなどに対して、ショートキャスト気味に、よりタイトにキャストする必要があるからだ。シルバーかブラックのブレードにブラックスカートの組み合わせが有効だ。魚が散り気味の場合は、より多くキャストし広範囲にわたってシャローゾーンのカ
バーを探っていく必要があるだろう。
【秋の支流パターン】
秋になると、多くのベイトフィッシュが支流のしかも上流側へ移動する傾向があるが、バスもそのベイトフィッシュを追って移動する。
ベイトフィッシュのサイズに合わせて1/4オンスのバズベイトを投げることが多い。
大き目のバズベイトは目立ち過ぎることが多く、シーズナルもしくはエリア的なベイトフィッシュのサイズに合わせのがよい。
シルバーブレードでホワイトかシャッドカラーのスカートの組み合わせを好んで使う。
広いエリアをランガンしながら魚を探していくという典型的なフォールシーズンの釣りになる。
この時、バズベイトはサーチルアーとして非常に効果的だ。バスを広範囲から探す場合、バズベイトは素早く、しかも広範囲にわたって探れる優れたトップウォータールアーだと言えるだろう。
【タックル】
1/2オンス、ないし3/8オンスのバズベイトを投げる場合、7フィートのメディアム・ヘビーロッドを、1/4オンスのバズベイトの場合は6フィート10インチのメディアムアクションロッドを使うとよい。
両ロッドとも、フックアップを確実にするためにロッドチップに張りがあり、しかもキャスティングとフックセットを確実にするために胴調子のものがよい。
1/2オンスと3/8オンスのバズベイトには、15ポンドのフロロカーボンラインを、1/4オンスの場合は12ポンドのフロロカーボンラインを使うことが多い。
フロロは沈むけれど、バズベイトは素早くリトリーブするので、不必要に沈み込むことはなく問題はない。
もし、南に面したショアラインのベジテーションを狙うのであれば、根がかりが多くなるのでトレーラーフックは使わない方がいいだろう。
一方、北側に面したカバーが薄いバンクを釣る下るのであれば、トレーラーフックを付けてもいいかもしれない。
しかし、大体において私はトレーラーフックの必要性を感じたことがないし、バスもちゃんとバイトしてくれる。
ただ一つ言えることは、バズベイトを投げていてミスバイトが続くようであれば、トレーラーフックを使う前にしっかりとバイトする間をバスに与えてみよう。
フロッグフィッシングと同じで、フックセットが早すぎると、バスはしっかりとバイトができずにミスバイトが起こりやすい。
だから、少し辛抱し、魚がしっかりとルアーをくわえてからフックセットするようにすれば、フッキングミスはかなり無くなるはずだ。