「もう一匹を絞り出す低活性時のクランクベイト」
低水温などバスの活性が低い時に、多くのアングラーはリトリーブ中にポーズを入れたりトウィッチをかけたりと、ただ巻くだけではなくバスのバイトを引き出すためにありとあらゆることをやっている。ミシシッピーのバスプロでクランクベイトフィッシャーマンのピート・ポンズは、長年に渡って低活性のバスに如何に口を使わせるかを研究してきた結果、「スロー&ステディーリトリーブ」パターンにたどり着き、タフコンディションの中のバスからバイトを得てきた実績を持つ。これが彼の基本的な低活性時のクランキングパターンとなっているが、誘い方のバリエーションを否定している訳ではない。ポンズは、タフコンディション下のクランクベイトフィッシングに2つのパターンを用意していると言う。どちらのパターンもそのパターンが成立するために最適なルアーを選択する必要がある。ただし、ルアーを選ぶ前の前提条件として、たとえば、低水温時には、午後に日が昇って水温が少しでも温かくなるタイミングに釣りをするということも釣果に影響するだろう。特に低水温時の水温の変化は重要な要素となり午前より午後の方が圧倒的にバイト数が増える傾向がある。確率が高い釣りをすることはどんな釣りをするにしても大切なことだ。
【 BANDIT バンデット200 】
ポンズ流のタフコンディションでのクランクベイトフィッシングに欠かせない最適ルアーは、BANDIT(バンデット)200だ。バスの活動パターンから「スロー&ステディーリトリーブ」でクランキングを行う。BANDIT(バンデット)200は、その特長的なしっかりとしたウォブリングアクション(小刻みに左右にテールを振る)とボディーシェープ、そしてそのサイズに関して実に理想的なクランクベイトであり、タフコンディション下のバスのバイトをしっかりと引き出してくれる。この200シリーズは、5~7フィート(1.5~2.1メートル)レンジを泳ぐ。バスが気づけばバイトする確率が高いレンジだ。ポンズは、低水温時では適度な傾斜があるリップラップ・バンク(石積みやゴロタでできたバンク)やロック・バンク(岩でできたバンク)あるいは岬などのポイントを中心に狙っていく。
何故なら、日差しによって岩が温められることによって、周囲の水温が僅かに上昇するので他の場所にいるバスよりも活性が高いはずだからだ。したがって、水温が低い時はポンズは水温計を小まめにチェックし、よりコンディションがよいバンクへと移動を繰り返す。水温が1~2℃違えば、明らかにバスの活性は違ってくる。バンクの傾斜変化や隣接するストラクチャーやカバーの要素も大切だ。ポンズは、ボートポジションに気を付けながら、できるだけロック・バンクに近づき、プロダクティブゾーンが長く確保できるようにバンクと並行にリトリーブする。バスからのバイトがあれば、どのくらいバンクから離れた位置だったかに注目し、次は2インチ(5センチ)外側を通し、その次は2フィート(60センチ)、さらには、もっとバンクから離れたコースをリトリーブしてその日のパターンとなり得る情報を集めることが釣果を伸ばすコツだと言う。水没した道路跡やボートランプなどの基本的なポイントもチェックしておこう。この場合もロック・バンクと同様にプロダクティブゾーンができるだけ長くとれる位置にボートポジションをとり、ストラクチャーやカバーにできるだけタイトに引いてくることを心掛けるべきだ。低水温期の私のお薦めのカラーは、シャッド系かブルーギル系のカラーだが、クリアウォーターではナチュラルで目立ちにくいカラーパターンを、マッディーウォーターでは、チャートリュースやオレンジなどの目立つカラーを使うことが多い。その点BANDIT(バンデット)ルアーは、カラーバリエーションが豊富なので、あらゆるコンディションに対応できるという大きなメリットがある。
【 BANDITバンデット フラットマックス・シャロー 】
春になり水温む日もでてくると、ポンズはもう一つのクランクベイト・パターンを使い始める。温かい日が数日続けば、フィーディングのためにプリスポーニング・フラットにバスが移動してきていることがある。そのタイミングと合えば、素晴らしい釣果に恵まれることもある。より大きくコンディションのよいバスが先ず移動する。しかも、それらのバスは群れで動いているので、ビッグバスが立て続けに釣れることもざらだ。バスが、このようにプリスポーン・フラットに移動していると判断した場合は、BANDIT(バンデット)200から、BANDIT(バンデット)のフラットマックス・シャローへとルアーローテーションを行とよい。このフラットサイド・クランクベイトは、その独特なタイト・ウォブリングアクションのために活動性の低いバスからして見れば、いとも簡単に補食できそうな動きに見えるはずだ。加えて、リップがボトム変化やバスが入れ代わり立ち代わり付くカバーを叩いてくれる。フィールドの上流側の広いスポーニング・フラットが狙い目だ。特にディープ隣接のフラットであればなおさらよい。バスにとってディープからフラットへの移動距離が短ければ都合がよい。したがって、メインチャネルがフラットへ近接しながらカーブしているようなポイントはバスにとって好都合だ。その様なスポーニング・フラットを見つけたら、アイソレートなサンドバーや岩などをターゲットにすればよい。ベジテーションにも注意を払いたいが、たとえば枯れたリリーパッドなどの茎にバスが付いていることもある。ウッドカバーの場合は、少なくとも5投はしておきたい。ウッドカバーは、温かくなるにつれて確率が高くなる傾向がある。春のリップレスクランクベイト(バイブレーションルアー)が効くエリアと同じようなタイプのエリアはBANDIT(バンデット)のフラットマックス・シャローの出番だ。バイブレーションより根がかりが少ないのでストレスなく釣りができる。フラットマックスとバイブレーションの違いは、フラットマックスの方が前方浮力設計なのでよりスローなリトリーブが可能となり、場合によってはポーズを小刻みに入れるヨーヨー・リトリーブもやり易い。ポンズは、リールを巻いてルアーを潜行させてから、ロッドワークでスイープとポーズを繰り返しながら、「ウォブル・アクション」「スロー・フローティング」「ウォブル・アクション」「スロー・フローティング」という誘い方をよく試す。プリスポーンの時期に効くカラーは、レッドクローダッドやレッドバック/スプリングクロー/イエローなどだ。ポンズの経験からこの時期にはレッド系のカラーが入っているものがよいそうだ。
【 クランキング・タックル 】
BANDIT(バンデット)200とフラットマックス・シャローに最適なタックルは、共に7.1フィートのミディアムアクションのベイトキャスティングロッドと普通のギア比のリール(ローギアに替える必要は無い)に14ポンドのフロロカーボンかナイロンラインの組み合わせだ。フロロはルアーを若干深く潜らせることができるが、深度にそれ程こだわらないならモノフィラメントのナイロンラインが良いだろう。
USシルバースレッドAN40(シルバー) ZAN-S14LB 1750円 | USシルバースレッドフロロカーボンZFC14LB 3200円 |
※すべて税込価格