「ジェーソン・クリスティーのジャークベイトフィッシング!」
我々が目指す三日月湖に流れ込む支流に着いた午前9時過ぎの気温は35°F(1.7℃)だった。水温は、40~42°F(4.5~5.6℃)だ。ナンバー・ワン・トーナメンターとも称されるジェーソン・クリスティーは、ジャークベイトで魚を釣ろうと考えていたので、何処に行くべきかをよく知っていた。この冬の朝、彼がターゲットとしたエリアは、ドロップオフのエッジに沿って沢山のウッドカバーが点在する9~14フィート(2.7~4.2メートル)のディープなチャネルだった。「冬の間、バスはチャネルの駆け上がりに近い何処かにいることが多い。ただし、実際は日替わりで、バスがその日に好むレンジやポジションを突き止める必要がある。バスはシャローに移動しているかもしれないし、ウッドカバーの近くかあるいはチャネルから程近い場所にいるかもしれない。先週の2回の釣行では、シャローに上がっていたバスを2日とも5リミットで30ポンド(13500グラム)という釣果だった。まるでその場所にいる全てのビッグフィッシュがバイトしてきたんじゃないかという感じだった。2日のうちの1日は、ログへのバイトが特に凄まじく3フィート(90センチ)のラインスラックが消える程の激しいストライクが連続する程だった。その日とは、2014年の12月27日のことだが、フロントデッキから手が届きそうなくらいに低く垂れ込める雲に覆われ、半端ない寒さの中で強い風が吹き荒れ、さらに時折振ってくるミゾレと凍りつくような雨の中での出来事だった。
しかし、こんな日こそ正真正銘のログ日和なのだ。天候が悪ければ悪い程、天候が良い状況よりもジャークベイトはその能力を発揮してよく効く。今日はどうなのかはわからないが。」と、雲一つない青い空を見上げながらジェーソン・クリスティーはつぶやいた。「このエリアは、水に濁りが入り、しかもカレントも少々きつい。水の濁り加減は釣りに影響するし、強いカレントはジャークベイトでの釣りをタフにする。何故なら、カレントが強く当たる場所では、バスが水流を嫌って周囲のウッドカバーよりもボトムに張り付く傾向があるのだ。このカレントの影響は、多くのジャークベイト・フィッシャーマンが見落とす要素だ。何故なら、この釣で特に大切なラインスラックやジャークベイトのトウィッチ・アクションがカレントにラインが引きずられることによって、きちんとしたルアーコントロールが困難になるだけでなく、スラックラインの微妙な動きや手に伝わる感触を掴むことさえ難しくなるからだ。強いカレントは、ジャークベイトの効果が及ばない場所に魚を追いやってしまうのだ。たとえば、より深いレンジにバスが移動してしまったり、スタンプやロックパイルにカレントの下降流が当たることによって、ブレークのディープサイドに魚が張り付いて、ジャークベイトに反応しなくなるからだ。」先週調子がよかったエリアを45分ほど流したが、バスからの反応は全くなかった。「バスはいるはずだが反応しない。ジグロッドに替えてブレークにあるウッドカバーを攻めてごらん。」とクリスティーは私に言った。「バスがカバーにタイトに付いているはずだから確認してみよう。このカレントの影響でバスがカバーの縁にしっかりと付いているようであれば、ログには反応しないだろう。」クリスティーの指示に従ってジグでウッドカバーを舐めるように這わせると、微かでスローなバスのバイトをロッドに感じて、彼の読みが当たっていることが直ぐに証明された。フックアップしたバスは4ポンド(1800グラム)クラスで、クリスティーの見立ては正しかったのだ。「このエリアは、ジャークベイト・フィッシングにお誂えの場所だったんだが、ドロップオフやウッドカバーをクランクベイトなどでかなりタイトに攻めないとバスは反応してくれないだろう。別のフィールドへ移動しよう。」とエレキを上げ、コックピットに座りながらクリスティーは言った。程なく、我々は小規模なリザーバーに移動した。リバーチャネルのブレークはリップラップ(捨石)になっており、近くにウッドカバーやスポーニングフラットそれから広めのオープンウォーターが広がっており、ディープも隣接している、複合要素に富む一級ポイントではあるがスポットとしてはごく平凡な場所だ。リップラップに程近い小さな岬にバウを向けた。
「ここはチャネルがバンクに近づくようにカーブして、さらにディープが隣接しベイトフィッシュも確認できる。水もさっきのフィールドより若干クリアだ。少なくともこのポイントは強いカレントもない。ここはよさそうだ。」2投目でクリスティーは、この日最初の5ポンド(2250グラム)バスを釣り上げ、彼の読みが正しかったことを裏付けた。このデカバスは、スミスウィックのサスペンディング・ラトリンログのクローム/ブルーバック/オレンジベリーにヒットしてきた。「可能性が高いストレッチはそんなに距離もなく、正にこのポイントが今日の正解ポイントだ。この短いストレッチから魚を絞り出すために、3匹目、4匹目、5匹目は同じカラーではなく、カラーローテーションをしていく必要がある。サスペンディング・ログは、彼の代名詞のようなジャークベイトだが、このログは、冬にハマる大き目のベイトフィッシュのようであり、特にデカバスを引き付ける力がある正にクリスティーのお気に入りのログだ。「このログは、6フィート(1.8メートル)しか潜らないが、シャローやドロップオフの壁にいるやる気のあるバスか、あるいは、ベイトに興味を示すバスに効果的だ。」彼は、ストレッチをサスペンディング・ログで7~8回流した。「状況によって、あるいはエリアの水深によってだが、基本のサスペンディング・ログに反応が悪い場合は、先ず、スミスウィックのパーフェクト10ログ(ADR5)にスイッチしてみる。パーフェクト10ログは、サスペンディング・ログよりも1インチ(2.54センチ)長く、より深く、しかも素早く潜行する能力がある。もし、狙うチャネルエッジが8フィート(2.4メートル)の水深であれば、パーフェクト10ログでバイトを得る絶対の自信がある。」次いでパーフェクト10ログの後に彼は、もう一つのコンフィデンス・ログであるエリート8ログ(ADR4)にスイッチし、ストレッチを流していった。「このログは、パーフェクト10ログより1インチ(2.54センチ)短く、潜行深度は8フィート(2.4メートル)だ。エリート8ログは、私にとっての最終兵器だ。サスペンディング・ログやパーフェクト10ログに反応が悪くなってきてからの、このショートサイズのエリート8ログで1~2匹の追加が可能だ。このログで、めったに外すことはない。」クリスティーは2時間程の短い釣行だったが、3種類のログだけで何匹ものデカバスを釣っていった。今回のビッグフィッシュは、パーフェクト10ログによる6ポンド(2700グラム)オーバーフィッシュだった。ボートランプに戻ってきて私は、今日の釣行についてクリスティーに聞いてみた。「今日のような寒い日は、少し長めにポーズを入れるようにしている。しかし、長ければいいというものではない。ログのバイトには2種類のバイトがある。一つはトウィッチの動きだし。もう一つはポーズ中だ。その日、その時の状況次第だ。ポーズしている間、わずかなラインの動きを見落とさないようにしなければならない。この時期のバイトは、とても分かりづらいものだ。でも、その微かなあたりやラインの変化に気づけば、その日は最高の釣りとなるだろう。健闘を祈る。」
スミスウィックルアー エリートエイトログADR4 281 1200円 |