「スプーン・フィッシングの要点!」
魚探にベイトフィッシュの群れが映っていて、その下にデカバスの魚影がはっきりと見えるのに何をやってもバスが口を使ってくれない時の最終手段としてスプーン・フィッシュのストライクを願いながら、スプーンを落とし込みタップさせるアングラーが最近増えてきた。魚探の性能が上がり、ボートの真下だけでなくボートの両サイドのカバーやストラクチャー、そして魚のポジショニングなどの情報がより鮮明に見れるようになってから、スプーン・フィッシング・テクニックは急速に進化を見せている。加えて、マッピングやGPS機能によって、年間を通してバスの群れが付いている沖のストラクチャーやカバーの場所がアングラーにとって簡単に記録できるので釣りの再現性が増すようにもなっている。このように魚探などの性能が向上する一方、バーチカル・ジギング用のスプーンも少しづつ変化してきている。基本的に二つの型(シェープ)がある。先ず一つは、コットンコーデルのC.C.スプーンのようなシャッドやベイトフィッシュ・ライクな形をイメージさせるもの。このシェープはタイトな動きと早い沈下率が特徴だ。もう一つは、ボーマーのスラブ・スプーンのような銀貨のような形に近いシェープをしているものだ。このシェープのスプーンも沈下は早いが、よりスローにアクションをさせるとウォブリング・アクションが強めになるのが特徴だ。アフタースポーンや夏を通じて、バスは秋になるまで過ごす深場にある住処へ移動する。沖のストラクチャー周りのバスをスプーンで釣るのに格好のタイミングだ。特にテーブル・ロック・レイクのようなハイランド・リザーバーではこの傾向が強くなる。ハイランド・リザーバーの特徴として、比較的水がクリアなために、バスにとっても遠距離からスプーンの存在を視認できる結果、ストライクゾーン自体が広がる傾向が見られる。バスは、一旦沖に移動するとストラクチャーやカバーに依存する。例外的には、南カリフォルニアのレイク・マレーのブルーバック・へリングやアーカンサスのビバー・レイクのシャッドのようなベイトフィッシュの群れに単純に付いて回る回遊性のバスもいる。ハンプや水没した島などは、沖に移動したバスにとって格好の居つき場所となる。そのような場所で、バスはベイトフィッシュの群れが回ってくるのをストラクチャーやカバーの近くにサスペンドしながらうろうろしながら待っていることが多い。岬の尾根がなだらかに落ち込みながら古いリバー・チャネルに交差するポイントなども可能性が高い。バスはその交差するポイントにしばしばサスペンドしていることが多いからだ。ハンプやなだらかな尾根を持つ岬がカバーやリバーチャネルに隣接するなどの要素が複合的に絡めば確率はあがる。ハイランド・リザーバーでは、立木や水没した立木、あるいはブラッシュ・パイルなどがバスにとってのベイトフィッシュの待伏せポイントになる。
岩棚やクリーク・チャネルもまた、夏になりバスがより深いレンジに移動するとバスの群れが付きやすい場所になる。アフタースポーンに沖にある岩棚やクリーク・チャネルの浅いレンジへと移動していたバスの群れは、夏になるとレンジを下げディープに移動する。冬になると、バスは古いリバー・チャネルに隣接する垂直岩盤や岬などのボトム付近に移動する。これらのストラクチャーの先端すなわちボトム付近というのは、フィーディングのためにストラクチャーを利用してシャローに移動しやすく、またフィーディング後はディープへ戻りやすいバスにとって都合がいい場所なのだ。最も条件のいい岩盤はバスのエサ場となるクリーク・チャネルに隣接した岩盤だ。スプーンをスクーリング・バスに直撃でキャストしバスの群れの中を素早くリトリーブしてもいいし、ベイトフィッシュの群れの下あたりを泳がせてもよい。バスが群れを成してない時は、ボートの下のベイトの群れに対しバーチカルに落とし込んで、リフト&フォール・ジギング・モーションで誘いをかけてみよう。もしバイトがなければ、ベイトフィッシュの下までスプーンを落とし込んで、すばやく巻き上げてみよう。このやり方で、普通のリフト&フォールに反応が無いバスにスイッチを入れることができる場合がある。
スプーンのウエイトとシェープは色々と試してその日のスプーンを絞り込んで行こう。ウエイトとシェープという二つの要素で沈下率(ROF)が決まってくる。C.C.スプーンのような薄くてシャッド・シェイプのスプーンは、沈下率が速く、スラブ・スプーンのような卵型のシェイプのスプーンの沈下率は、比較的遅い。それぞれのスプーンの特長からC.C.スプーンは、ボート下のバーチカル・ジギングに向いており、スラブ・スプーンは、スクーリング・フィッシュに目がけてキャストするか、スローなバーチカル・ジギングに反応が良い時には最強のスプーンとなる。スプーンはその外見上のシンプルさゆえに、バスに対してアピール力が足りないのではないかとの誤解をうけて、時として一部のアングラーに見落とされることがあるようだ。他のルアーに比べてカラーリングもシェープもシンプルだ。
ここで覚えてもらいたいことの一つは、スプーン・フィッシングは、冬と夏の時期には効果的でエキサイティングな釣りになるということだ。特に寒冷前線の通過前後の晴れ上がった日に、バスは中々口を使ってくれずに非常にタフな釣りになることが多いが、バスの鼻先にスプーンをちらつかせてみよう。彼らは抵抗できるだろうか。