「クランキン・ウエイトとは!?」
ビッグ・クランクベイトは、そのルアーサイズを大きくすることによって限界潜行深度を伸ばしてきた。ただ、別の簡単な潜行深度を伸ばす方法がある:それは、ウエイトを上げるということだ。
ルアーサイズとルアーの遠投性能によって、そのルアーの限界潜行深度が決まるというように豊富なフィッシング・キャリアを持つテキサスのバスプロ、ゲーリー・クラインは言う。従って、今まではロングキャストをするためにリール・スプールの回転抵抗を出来るだけ無くすようにリールを調整したり、ラインが全て出きるまでボートでルアーポイントから距離を稼ぐために移動したりと散々やってきたものだ。散々苦労しながらルアーを深く潜らせて、精々20フィートから25フィート(6メートル~7.5メートル)が限界だった。只々ルアーサイズが大きく、大きなリップを付けたクランクベイトでどうにかディープバスに対してアプローチをしていた。一方で、しかしながら、バスがディープゾーンにいるからといって、そのためにビッグサイズのルアーが必要というわけでないことは確かな事実だろう。
1)リーダーを付けよう
フロントフックにティアドロップ・シンカーをセットしてウエイトを追加したもの】(A)
単純に、クランクベイトを深く潜らせるために有効な方法はルアー・ウエイトを重くすることだ。クランクベイトのフロントフックのスプリットリングに1/8オンス(3.5グラム)のベル・シンカー(つぼみ状のシンカー)を付ければ、それだけで確実に潜行深度が稼げる(A)。あるいは、ラインに1/4~3/8オンス(7~10.5グラム)のバレット・シンカーを通してからクランクベイトに結紮してキャストすればルアーを巻き取る前に希望する深度までクランクベイトをはこんでくれるだろう(B)。これらの方法では、本来のクランクベイトのアクションに色々と影響が出るかもしれないが、ディープバスにルアーを見せることができるし、言わんや本来のクランクベイトのアクションを見たことがないディープバスであれば、さほどの影響は実際のところはないのかもしれない。あとは、キャロライナリグにクランクベイトをリグれば、やはり希望する深度にクランクベイトを送り込める。このやり方で、クリアウォーターのリザーバーでミノーやシャッドなどのハードルアーを20~30フィート(6~9メートル)の深度に送り込む釣りをよくやっている。クレインは、1オンス(28グラム)のシンカーを使い、ルアーを結紮するリーダーの長さを8~24インチ(20~60センチ)ぐらいに設定にしたヘビーキャロライナにハードベイトをリグる。ボトムにシンカーが着底した後、ルアーをスイープ&ポーズでリトリーブするとよい。ロッドチップをスイープさせる時、浮力のあるハードベイトはシンカーの重みによってシンカー方向に引っ張られながらリトリーブされる。ポーズを入れた時、浮力のあるルアーは上方へ浮き上がろうとする。時にトウィッチ・アクションを入れることもある。キャロライナ・リグでルアーをステディー・リトリーブすると、ボトムを這いずり回らせることもできる。キャロライナ・リグにシャロークランクやミドルクランクを使っても同じようなアクションをするが、特にディープダイビング・クランクベイトは、ステディーリトリーブでディープウォーターに張り付くようにタイトにアクションしてくれる。
2) 変則キャスト
もしウエイト無しのキャロライナ・リグにクランクベイトをリグりキャストするなら、必ずクランクベイトのトレブルフックがラインに絡まってしまうだろう。クレインが愛情をこめて「変則キャスト」と呼ぶフックの絡まりを防ぐようなキャストをしなければならない。変則キャストは、通常のキャストとは違い高くてゆるい弾道でルアーをキャストする。一度コツをつかめば以後一切絡まなくなるだろう。Booyah(ブーヤー)のBoo Flex Rig(ブー・フレックス・リグ)は、「変則キャスト」でキャストする場合でもかなり楽にキャストできる。この「クランキング・ウエイト」は、アーカンサス州ホットスプリングスのビリーとボビー・マーレーの伝説の双子のバスプロ兄弟(ボビーは、1971年と1978年のB.A.S.S.マスター・クラシックで優勝した)によって開発された。ブー・フレックス・リグは、7 3/4インチ(20センチ)のナイロンでコーティングされたワイヤーの先端(ラインアイ)から1インチ(2.54センチ)の位置にウエイト{1/4オンス(7グラム)、3/8オンス(10.5グラム)、1/2オンス(14グラム)の3パターンあり}が固定されている。このウエイトは小さなベイトフィッシュのようにペイントが施されて立体的な目まで付いている。リーダー・ラインをブー・フレックス・リグのもう一方の端とスイベルに結紮して、そのスイベルにスナップを付けてクランクベイトをリグる。ナイロン・コーティングされたワイヤーは硬くしっかりしているので、キャスト時にクランクベイトのトレブルフックがラインに絡むのをきちんと防いでくれる。ソフト・アクションのロッドがラインの絡まりが起きにくいので良いとボビー・マーレーは言っている。特にブー・フレックス・リグを使う場合、ファスト・アクション(先調子)の7フィート(210センチ)のミディアム・アクションのソルトウォーター用のポッピング・ロッドが理想的だとマーレーは言っている。マーレーは、1/4オンス(7グラム)のブー・フレックス・リグが一番気に入っている。ブー・フレックス・リグを使えば、キャスティング・ディスタンスが伸びるだけでなく、BOMBER(ボーマー)の3/4オンス(21グラム)BD7F(ファット・フリー・シャッド)と同じサイズのクランクベイトであれば、フローティングであろうがダイビングタイプであろうが確実にクランクベイトを目的の深度まで沈めてくれる。
3)クランクベイトのポテンシャルを高めよう
追加ウエイト無しのダイビング・クランクベイトでは、目標とする深度の1/3にも到達できないだろう。Booyah(ブーヤー)のBoo Flex Rig(ブー・フレックス・リグ)を使えば、クランクベイトをボトムまで送り込むことができるだけではなく、思い通りのレンジへクランクベイトを沈めることができるので、今まで手が出なかったプロダクティブ・ゾーンを直撃する釣りが簡単にできる。自分が好きなクランクベイトをしかも潜行深度を自由に設定できると言うようにそのルアーポテンシャルを飛躍的に高めることができるのだ。もし、望めばスクエアリップ・クランクベイトのシャロー・ランナー・クランクベイトを30フィート(9メートル)の深度まで送り込むこともできるのだ。アラバマのフィッシングガイドでB.A.S.S.マスター・オープンのバスプロであるジミー・メイソンは、Boo Flex Rig(ブー・フレックス・リグ)を愛用しているが、多くのアラバマのリザーバーで1/4オンス(7グラム)のモデルを使ってプリスポーニングの時期に爆釣を何度も経験している。早春の時期の私のコンフィデンス・ルアーの一つは、BOMBER(ボーマー)のディープ・フラットA(B02DFA)だ。普通に使えば潜行深度は7~8フィート(2.1~2.4メートル)なのだが、Boo Flex Rig(ブー・フレックス・リグ)を使えば、ピクウィック・レイクの垂直岩盤に隣接する水深12~15フィート(3.6~4.5メートル)のバスをこのディープ・フラットAで釣ることができるのだ。Boo Flex Rig(ブー・フレックス・リグ)を使うことによって、他のメリットもでてくる。例えば、ディープ・クランクベイトだからと言って、今までのように潜行深度を稼ぐためにラインを細くする必要がなくなるのだ。今までだと8~10ポンド・ラインを使っていたのが、Boo Flex Rig(ブー・フレックス・リグ)を使うことによって、14ポンドやそれ以上の太さのラインを使うことができるメリットは大きい。メイソンはBoo Flex Rig(ブー・フレックス・リグ)を使用する時は、8フィート(2.4メートル)のクランキング・ロッドにギア比 5.1 : 1のリールの組み合わせで使っている。メイソンは、15フィート(4.5メートル)レンジのバスをBOMBER(ボーマー)のフラットA (B02FA)で狙う時には、5秒のカウントダウンを行いってからリトリーブを開始する。夏の時期に25フィート(7.5メートル)以上の深場に落ちたバスを狙って、ルアーを送り込むことだってできるのだ。キャロライナリグよりも、Boo Flex Rig(ブー・フレックス・リグ)を使ったディープ・ダイビング・クランクベイティングの方が、ステディーリトリーブでディープレンジを簡単にキープすることができるだろう。