「フォールターンオーバーに打ち勝つ方法」
日に日に涼しくなり、日も短くなりはじめるとフィールドの表水温も大分下がり、数日前までは魚探に映し出されていたハッキリとしたサーモクライン(変温層:この層を境に上層と下層の水温が大きく変わる)が、ある日突如として消えてしまう。これが、いわゆるフォールターンオーバーだ。水がかき回されるため表水温と水深20フィート(6メートル)の水温が同じになってしまう。フォールターンオーバーになる前にはっきりと存在していたサーモクラインは、春になり水温が上昇するにしたがって徐々に作り出される自然現象だ。夏になると、さらにはっきりと中層の薄いサーモクラインによって表層の密度の低く温かな層と、密度が高く冷えて通常は酸素が殆どないボトム層に水が分離される。この中層に存在するサーモクラインが一種のバリアとなり、温かい上層の水と冷たいボトム層の水に分かれる。フォールターンオーバーは、表水温が冷やされることによって比重が増した上層水が沈降しボトム付近の水と混じり合う結果、上層と下層の水温が同じになってしまう現象だ。この時期になると、多くのアングラーはロッドをライフルに持ち替え鹿狩りに夢中になるが、実はこのタフだと言われている時期にも魚はちゃんと釣れるということを知っておいて欲しい。魚探からサーモクラインが消えることを含めターンオーバーが始まったことを知る方法の一つとして、水面に見られる泡の存在がある。特に風下のバンク付近に泡が見られることが多い。私はアーカンサス州のビバーレイクやオザーク・ハイランド・リザーバーでガイドをやっているが、毎年9月の下旬から10月の上旬にターンオーバーが起こることが多い。ターンオーバーによって酸素濃度の高い上層の水と溶存酸素濃度の極めて低い下層の水が混ざり合う結果、この時期の水質はかなり悪くなる。稀ではあるが、魚が死んでしまうこともある程だ。アングラーにとってフォールターンオーバーは招かれざる客で、一年を通して最もタフなコンディションであるとも言えるが、厳しい釣りになるかもしれないものの魚はちゃんと釣れるはずだ。先ずは、ターンオーバーの影響を最も強く受けている場所を知ることが先決だ。もし釣りをしているエリアがターンオーバーの影響を大きく受けていれば、魚のバイトは得られないかもしれない。最も簡単な解決法だが、その時はエリアを変えてみる必要があるだろう。次に、攻め方を変えてみよう。バスはどのレンジにもいるはずだ。そこで、例えばスピナーベイトのようなシャローウォーターにもディープウォーターにも対応できる汎用性の高いルアーをセレクトしてみよう。あと、私はターンオーバーの間はメインレイクの岬をターゲットにすることが多い。メインレイクの岬は支流へと繋がるバスの通り道であり、バスがベイトを食い上げるのにも適した地形だ。最も有望な岬は、メインのリバーチャネルに隣接した岬だ。もし、他のどの方法にも反応が無かった場合は、トップウォータールアーでのシャロー狙いが意外と可能性が高い。突飛な感じがするかもしれないが、バスの一部は必ずシャローをクルーズしているはずだ。活性はあまり高くないかもしれないが、より酸素濃度が高く冷たい水の中を移動しているバスは必ずいる。ルアーは、タックルボックスの中身を全部持っていくぐらいの準備が必要だ。何故なら、ボトムからトップまでのありとあらゆるゾーンのバスを狙う必要があるかもしれないからだ。ターンオーバー中の釣りは、特に精神的にも強くならなければならない。ある瞬間はボートの近くでボイルしたかと思えば、次の瞬間にはバスは何処かへ消えていなくなるようなことが続くことさえある。
スクーリングバスに対しては、ヘドンのワンノッカー・スプークかあるいは、フォクシーシャッドやGフィニッシュ・フォクシーシャッドカラー、あるいは水の濁りが比較的クリアであるならば透明なパールメロンカラーのチャグンスプーク・ジュニアが効果的だ。スクールバスがレンジを下げれば、エクスキャリバーXr50のシャッドパターンカラーのバイブレーションルアーが良いし、魚探でバスの位置が確認できればコットンコーデルのC.C.スプーンでのバーチカルジギングが効果的だろう。さらに、ボートドックは見逃せない。特にメインレイクや比較的長い距離のあるワンドやクリークの入り口付近にあるボートドックは狙うべきだ。ブーヤーのプロ・ブー・バグ(ジグ)に ヤムのシャッドカラーやクローダッドパターンのクローチャンクをリグり、シェードサイドにスキッピングで入れてみよう。色んなタイプのルアーや釣法があるが、ターンオーバーの中でさえハマればちゃんと釣れることは間違いない。例えば、ディープなブラッシュパイルを狙うボーマーのファットフリーシャッドは、ターンオーバー中に良く使う私のコンフィデンスルアーの一つだ。この時期に釣果を上げるコツは、適切なエリア選択とルアーの選択に尽きるので、その日のパターンを見つけるために自分が培ってきた知識と経験を総動員して是非攻略して欲しい。皆の検討を祈る。