「ブルーギルを追え!」
ワカサギや甲殻類だけがバスの餌ではない。ブルーギルとバスの関係を知れば、この夏のデカバス攻略法の新たなヒントになるかもしれない。
バスマスターTVのホストであるマークゾナは、ホームレイクの南ミシガンレイクでよくドロップショットリグで釣りをしている。ブレークのディープサイドに沿ってワームを小刻みに動かしている間、彼は魚探を熱心にチェックしている。そして、ブルーギルがボトム付近にいればいいことが起こると言う。ボートを移動中にベイトの小さな群れをスクリーンに発見したゾナはニンマリとした。フットボールジグに替えるタイミングだと言う。私が今まで読んできた釣り雑誌の全てがベイト、すなわちワカサギを追えと言っていた。ただ、多くのフィールドにワカサギがいるとは限らない。ブルーギルの尾びれがビッグバスの喉から覗いているのを見て以来、ブルーギルの群れを追い始めたそうだ。そもそも、このブルーギルパターンを思いついたのは、その昔父親と通ったブルーギル釣りの記憶が基になっている。我々はいつもブルーギルを釣った後に、バスロッドに持ち替えバスを釣っていた。この経験が多くのアングラーが見過ごしているブルーギルパターンの出発点になった。大きなフィールドは、沢山の種類の餌がいる一方、内陸部のレイクではブルーギルがバスの主食になっている場合が多い。
バスは、春と秋はシャローでブルーギルを追い、夏と冬はディープに移動したブルーギルを追う。北部のアングラーは、初夏にスポーニング行動に入るブルーギルのネストにバスが張り付いていることをよく知っているが、ブルーギルのアフタースポーンについて知っているアングラーは少ない。ブルーギルはシャローを離れるとディープへ移動するが、そのブルーギルを追ってバスもディープへ移動している。
ブルーギルの群れは、魚探で比較的簡単に見つけることができ、ディープウォーターのボトム近くにベイトフィッシュボールのような感じでサスペンドしている。ブルーギルの群れは、ウイードが生えている駆け上がりに隣接するディープフラットやボトムに密生するベジテーション周りに見つけることできるだろう。この群れが見つかるまでゆっくりとボートを流していく。しばしばブルーギルの群れが幾つかの小さな塊に分かれていることがあるが、そんな時はブルーギルの群れを狙っている何かが近くにいる場合が多い。群れの近くにより大きく孤立した映像が映ってくることがあるが、バスのようなプレデターフィッシュであることが多い。ただし全てのブルーギルの群れにバスが付いているわけでは無いことは知っていて欲しい。
ブルーギルの群れがディープグラスに付いている時に良い結果が出ることが多い。一方で、もし魚探にバスの魚影を見つけることができなくてもバスがいない証拠という訳ではない。時にバスはボトムにタイトに付き魚探でズームをかけても容易に見つけることが難しい場合もあるからだ。グラスの存在がカギとなる場合が多い。特に背の低くまばらな感じのベジテーションがいい。17~40フィート(5~12メートル)の誰もそんな場所でバスを釣ろうと考えないだろう深場に生えているようなグラスは最高だ。そんな場所にブルーギルはサスペンドしており、バスはその下をうろうろしている。バスはブルーギルに照準を合わせ、下から食い上げるのでジャークベイトフィッシングやスイムベイトなどが有効になる。夏の時期の早朝のローライトコンディションでは、ブルーギルはボトムから浮いていることが多いが、日が落ちるとボトムに付くことが多い。ブルーギルの位置がボトムに近いほどバスのスイッチが入り易い。また、同じエリアでブルーギルの群れは移動しているが、調べてみると50ヤード(45メートル)ぐらいしか移動していなかった。
そして移動したバスも問題なくルアーに反応していた。ワカサギが生息するフィールドではワカサギがバスの主食かもしれないが、そんなフィールドでもバスは好んでブルーギルを捕食している。
ブルーギル釣りがデカバスを釣ったと言う話はよく聞く。バスの補食パターンはシーズンによって変化するものだ。早春にブルーギルがサスペンドしている状況ではジャークベイトが効果的だし、ブルーギルがシャローに移動する時期にはバイブレーションやスイムジグが効く。カラーは、グリーンパンプキンやパープルがかったりブルーが入っている、いわゆるブルーギルカラーをセレクトすることが多い。ブルーギルがディープへ移動している時期には3/4オンス(21グラム)のフットボールジグやストラクチャージグやクランクベイトが良いだろう。サンドグラスなどではドロップショットリグが有効だが決してフィネスなアプローチがより効果的だということではない。
ゾナは、ジグをキャストした後ボトムに着底させ、シェーキーヘッドワームの時と同じようにロッドチップを動かす。動きを止めることなくルアーを動かしグラスに引っかかったと感じたら、ロッドにスナップを入れながらグラスからジグを外しまたジグを動かし続ける。大体グラスからジグを引き離した瞬間にバイトしてくることが多い。早朝など、もしブルーギルがボトムから少し浮いていると思えば、グラスヘッドの上をスイムさせるルアーが効果的だろう。ブルーギルカラーのスイムジグが鉄板であることはよくある。多くのアングラーは、バスボートが集まるエリアに行きたくなるようだが、私はブルーギルフィッシャーマンがアルミボートを浮かべている場所をつい探してしまうのだ。是非、ブルーギルパターンを一度試してもらいたい。