アメリカン ルアーフィッシング入門!
「ペンシルベイト / ヒロ内藤」2017年6月号 Vol.115
ペンシルベイト、スティックベイト、ウォーキングベイトなど色んな呼び名があるが、バスをトップウォーターで狙う場合に非常によく釣れるルアーだ。ただ、もし全てのペンシルベイトが同じだと考えているなら、なかなか魚を釣ることが難しいかもしれない。ペンシルベイトが誕生したのは1910年代まで遡らなければならない。1922年にHeddon(へドン)は、「ザラゴッサ・ミノー」を発売した。
この種のルアーの特徴は、左右方向への動きだ。この動きは、水面での瀕死の魚の異常な動きをイミテートしている。有名な「ザラスプーク」は、1939年にプラスチックボディーでこの動きを再現した。
そして、この基本となるペンシルベイトモデルに修正を加えた新しいタイプのペンシルベイトが作られていった。
今日、ペンシルベイトは、その浮き姿勢によって、水平姿勢と垂直姿勢の2つのタイプに分けられる。浮き姿勢が水平なものは、水面での左右の動きがワイドだ。
一方、垂直的な浮き姿勢のものは、特徴のあるアクションを生み出し、長めのロッドストロークでルアーボディーが水中に潜り込む。このタイプのペンシルベイトは、特にフィッシングプレッシャーが高い時にリアクションバイトでバスに口を使わせるのに有効だ。私の場合は、ルアーをカバー近くにキャストし、数秒待つことが多い。そして、ロッドワークによってルアーを水中に潜らせ、次いでスラックラインを利用してルアーを水面に浮かび上がらせる。そして数秒待って再び同じアクションを繰り返す。このやり方は、非常に有効だった。この垂直的な浮き姿勢のペンシルベイトは、1950年代の中ごろ、SMITHWICK(スミスウィック)のプロップ無しでテールにウエイトボールを持った「デビルズホース」や少し後にCotton Cordell(コットンコーデル)のプロップ無し、テールにウエイトを加えた「ボーイハウディー」などが商品として出回り始めたのが最初だ。これらのルアーは、タフなコンディション下でのシークレットルアーとしていまだに使われている。
残念ながら、これらのルアーは廃版となって久しいが、REBEL(レーベル)の「ジャンピング・ミノー」は、同じ垂直浮き姿勢のペンシルベイトとして現在販売されている。もし、ペンシルベイトに興味があるなら、少なくとも一つは垂直浮き姿勢のペンシルベイトを持っておくべきだ。釣りがタフな時にきっと役にたつだろう。