アメリカン ルアーフィッシング入門!
「クランクベイトのラインについて」2016年9月号 Vol.94
クランクベイトに使用するラインのタイプとサイズについて色んな考え方がある。どの考え方が正しいのかという議論を抜きに、ラインとはタックルと戦略によっても多くの選択肢がでてくる。
フロロカーボン・ラインが最初に登場した時多くのバスプロ達は、フロロの強度とその低い視認性、伸びの少なさによってボトムやカバーへのコンタクトの感度が上がったことを理由にフロロへと切り替えた。フロロカーボンの特性としてラインが沈むので、クランクベイトを僅かではあるが深く潜らせることができる。もし、ディープストラクチャーをターゲットにし、しかもルアーの限界潜行深度を少しでも上げたいのであれば向いている。
一方で、スクエアビル・クランクベイトをウッドカバー周りや、ルアーの浮力を最大限に活かしてカバーを巧みにすり抜けさせたいのであれば、Silver Thread(シルバースレッド)の「AN40」のような沈まないラインの方がよいということになるだろう。
カレントが強い場合やストラクチャーに当てたいけどもそれほどタイトに当てたくない場合などは、沈むラインはマイナス要因となる。あるいは、12ポンド・テストラインで目的のレンジへクランクベイトを送り込めるのなら、10ポンド・テストラインに代えると深く潜り過ぎることになる。バスプロがボートデッキに4本のロッドを積んでいて、しかも全てのロッドに同じモデル、同じカラーのクランクベイトが結んであれば、おそらくロッドに巻かれたラインは全て違うものであろう。まさしくラインは、道具として狙うレンジ別に準備されているはずだ。
フロロカーボンとナイロンラインの話を終える前に、ラインの伸びの性質を良しとしてナイロンラインを好むアングラーの考えを付け加えておく。彼らは、魚がルアーにヒットしてから魚自身がラインテンションを感じるまでの僅かな時間において、スロー・アクションのクランクベイト・ロッドのようにナイロンラインが魚に与えるラインテンションの違和感を吸収してくれると信じている。
ラインサイズは、ルアー・プレゼンテーションに影響するが、2つの違った考え方がある。一つは太目のラインを使いルアー・コントロールを重視する考え方で、もう一つは細目のラインを使いよりナチュラルな動きを重視するという考え方だ。