「テリーのドロップショットワーム解説」
昨年YUM(ヤム)は、私(テリー・スクロギンス)と他のPRADCOプロにドロップショット・ワームのデザインについて協力を要請してきた。それは、突然な話で、ドロップショットはトーナメントシーズンを通して最近は余り使ってなかったリグだったし、2014年のB.A.S.S.マスター・エリートシリーズ戦をあと2戦残している状況での話だった。YUM(ヤム)の新作ドロップショットワームには、次のものが含まれていた。
【シャープシューター】 非常に柔らかく細身のストレートワームで、テールはスイミングアクションを演出するブレードシェイプの形状になっている。シャープシューターには4.5インチ(11.5センチ)モデルと6インチ(15センチ)モデルの2サイズがある。
ヤム Sharp Shooter シャープ・シューター/YSSR4・YSSR6 580円
【ワーニングショット】 この3.75インチ(9.5センチ)のドロップショットワームのボディー形状は片側がフラットで、僅かな水流やロッドアクションで良く動くブレードシェープのテールが特長だ。
ヤム Warning Shot ワーニングショット / YWS3 580円
【キルショット】 3.75インチ(9.5センチ)のドロップショットワームは、ボディー部分の下面はフラット、上面は水をよく受けるうね状の凹凸形状になっている。テール部は、水を受けた時に左右へのスイミングアクションを生み出す飛行機の垂直尾翼と水平尾翼のような形状になっている。
ヤム Kill Shot キル・ショット / YKS3 540円
私は、この要請があってからセントローレンス・リバーとレイク・セントクレアで行われるレギュラーシーズン戦が待ちきれなかった。セントローレンス・リバーとレイク・セントクレアは、全く異なるフィールドコンディションだが、共にドロップショットリグには適したフィールドだと思った。そもそも、最近はドロップショットリグはあまりやらなかったのだが、何の問題もなくドロップショットを使いこなせた。過去7~8年のエリートシリーズ戦でも、多用はしてなかったものの状況に応じて使っていたし、ベイトフィッシュを演出するには適したリグだと考えていた。エリート戦のため北部へ移動した時、多くのローカルアングラーがドロップショットリグを使っているのに気づき、YUM(ヤム)のドロップショットワームが効果的だと確信した。私は、他の選手が私がどんなルアーで戦うのかについての情報いつもの様に集めているのをよく知っていたので、ほんの数パックづつYUM(ヤム)のドロップショットワームをタックルボックスに忍ばせて行った。私の釣りの基本はフロリダバス・フィッシングなので、ビッグジグやヘビーテキサスリグに使うワームを使うことが多いのだが、エリートシリーズのツアー戦の15年間を振り返っても、実際はサンシャインステート(フロリダ、ニューメキシコ、サウスダコタ州)以外のフィールドで釣りをすることの方が多かった。だから、私はツアーで北部へ移動し多くの時間を過ごしたし、そんな時にスピニングロッドに持ち替える状況はしばしばあったのだ。
【私の戦略】
ドロップショットは、ストライクゾーン・フィッシングに向いている。時に岩棚であったり、ブレークであったり、ロックパイルやハードボトムであったりする。一つのスポットを丁寧に、そしてエリアを秩序立って攻めることもできる。私がルアーカラーを決める時は、先ず水の相対的濁度を基準にしている。例えば、クリアウォーターではグリーンパンプキンやウォーターメロンは外せないが、目立つブルーギルカラー(明るい緑とブラウン)やくすんだ赤にレッドフレーク入りのカラーなども使う。朝のローライトコンディションでは、クリアウォーターカラーを使う。ステインウォーターでは私の場合、より暗めのカラーを使う。ベイトカラーが暗めであればあるほど、ルアーシルエットがはっきりするからだ。セントローレンス・リバー戦では、ブレークラインと岩やシェル(貝床)、あるいはボトム変化がみられるハードボトムを探した。このフィールドには良さそうなエリアが多く、そのようなポイントにはコンディションの良いスモールマウスバスが付いていた。一方、セントクレア戦では、多くの選手がレイクエリーに向かい、ハードボトムとボトム変化をターゲットにしていた。セントクレア自体は、多くの水生植物が繁茂するフィールドだ。私はベジテーションをターゲットにして、良さそうなポイントをドロップショットで攻めていった。
ウルトラポイント・ドロップショットフック 480円~580円
【私のタックル】
6フィート10インチ(205センチ)のミディアム・ヘビーのスピニングロッドにスピニングリールをセットし、10ポンドのブレイデッドライン(PEライン)に6ポンドのフロロカーボンリーダーを結んだセッティングだった。ロングキャストしても、このセッティングだと感度が落ちない。バイトを感じたらリールを巻きはじめ、フックセットした。このようなメインラインとリーダーの種類を変えるやり方の利点は、メインラインのPEが浮き姿勢で、リーダーのフロロカーボンが沈み姿勢をとってくれることだ。ワームからラインの影響を遠ざけたい時は、PEのメインラインとフロロカーボンのリーダーという組み合わせで、例えば、20~35フィート(6~10.5メートル)のディープフィッシングをする時は長めのリーダーを使い、シャローゲームの時は短めのリーダーに調整すればよい。ドロップショットリグは、ディープウォーターゲームの専売特許ではない。例えば、私が5~6年前のクラークヒルファイブで3位になった時などは、2フィート(60センチ)にも満たない水深でのドロップショットゲームだった。赤土のポイントでスポーニング中のブルーバックへリングについていたバスの群れを狙った時、フィッシングプレッシャーが強く強めのアクションが使えないという難しい状況
で、バスのバイトを得ることができたのが唯一ドロップショットリグだった。ダートしているバスの群れにドロップショットをキャストし、数フィート(60~90センチ)リーリングするとバイトしてきた。
【私のテクニック】
ターゲットとするボトムストラクチャーの状況に応じて、私の場合、10~15インチ(25~38センチ)のリーダーに、深度とかカレントの強さによって5/16~3/8オンス(8.75~10.5グラム)のウエイトを選んで結ぶ。もし、クリアウォーターで魚が神経質な場合は#2サイズのドロップショットフックを、あるいは、魚がアグレッシブにバイトしてくる時やレギュラーサイズが大きいフィールドでは、#1/0フックを選ぶことが多い。ワームのアクションが良いこととフックセットが良いことからワームをノーズフック(ちょんがけ)にすることが多い。シャローゲームでバイトがあれば、今度はよりディープなゾーンでのバイトがないか探る。ディープを攻めている時に、バイトが殆ど感じられない場合があるが、そんな時はデカバスの可能性があるから注意しよう。ブレ―ディッド(PEライン)とオープンフックの組み合わせなので、ランディングするまではしっかりとラインテンションを保つようにしなければならない。この、テクニックをマスターするためには練習が必要だが、是非YUM(ヤム)の新しいドロップショットワームでたくさん練習して欲しい。検討を祈る。