「クランクベイトのカラーの選び方!」ジミー・メーソン
バスには、その時のムード(気分や調子)や感受性、好みやさらにはこだわりがある。だから、その日に何が効果的かを突き止めるのは当然容易ではない。しかし、テネシー・リバーのガイドであり、クランクベイトのスペシャリストであるジミー・メーソンは、より多くのバスを釣るためのカラーセレクションについて明確な考え方を示してくれている。先ず、できるだけ多くのカラーバリエーションを揃えることが重要だ。何故なら、晴れているのか曇っているのか、あるいはマッディーウォーターなのかクリアウォーターなのかなどのフィールドの条件によってもカラーセレクションが変わってくるからだ。さらに、季節によってバスが何を好んで捕食をしているのか。シャッドなのかブルーギル、あるいは甲殻類にこだわっているのかによってもフィールドコンディションと同様にカラーセレクションを行う上で大切な要素となるのだ。たとえば、冬場の水中では、バスは秋に追いかけていたベイトフィッシュから甲殻類へと捕食対象を変えている。そのような捕食傾向がある場合は、甲殻類カラーや赤いカラーを選ぶべきだし、より濁りが強い状況では、ファイヤータイガー・パターンを試してみるべきだろう。このような基本的な考え方に加えて、メーソンはカラーの持つ視認性などの他の要素も考慮してカラーを選択している。バスが如何にルアーのローリングなどのアクションを視覚的にどのように捉えることができるかということもカラー・セレクションには大切な要素であり、戦略ともなる。クランクベイトのカラー選択の法則は、クリアウォーターでは、ルアーをできるだけはっきりと見せないように隠し、水に濁りの要素が入れば、バスに気付かせるために逆に目立たせるカラーを選ぶ必要がでてくる。もし、ステインウォーターの状況であれば、バスの視線を捉えることが重要だ。クリアウォーターでは、ルアーのアウトライン(シルエット)が分かりづらいストライプ・パターン(縦や横に走る線で構成されるカラーリング)やスプラッター・バック(血しぶきやシミのような細かな点などでカラーリングされている)が効果的だ。バスにとって、このようなカラーリングは、ルアーの動きは認知できるがはっきりとは見えないというところがミソだ。
自然界でも全ての生き物はカモフラージュしているものだ。メーソンが選ぶカラーは全て、どのような条件でバスが最も効果的にリアクション・バイトをするかを総合的に分析した結果から導き出されたものなのだ。もし、適したカラー・セレクションが行われれば、結果も付いてくるだろう。たとえば、リアフックに魚がバイトしてくるようであれば、バスはそのルアーに興味を示していることは確かだと言えるだろうが、何の疑いや躊躇もなくバイトしたというレベルではない。もし、ハモニカ食いのようにバスがルアーをしっかりと食い込んでいれば、そのカラーセレクションは全く持って正解だということができるだろう。
[プロとしてのセレクション]
メーソンは、ルアーカラーについて当然ながらこだわりがあるが、その中で立証済のお気に入りカラーというものがある。
[ブラック・バック/パール] 一般的なベイトフィッシュ・パターンだ。水がセミ・クリアからステインである場合に好んで使うカラーだ。このカラー・パターンは、縦や横の線はない(ストライプ・パターンではない)。マッディー・ウォーターでもルアーシルエットが際立って見える。特にシャッドなどのベイトフィッシュが多い状況では効果的だ。 |
ブラック・バック/パール(エメラルド・スパークル) |
[ブルー・バック/チャートリュース/オレンジベリー] メーソンは、この目立つカラーを早春から夏にかけてよく使う。雨による流れ込みで水の濁りが増した時の秋のシーズンでもこのカラーを選ぶときがある。水中で目立つこのカラーパターンは、ステイン・ウォーターでバスの視界が悪い状況下で効果的だ。少し濁りの入った条件でバスがシャッドなどのベイトフィッシュを追っている時にこの目立つカラーは爆発力がある。テネシー・リバーのような7フィート(2.1メートル)以上の水深があるフィールドで釣る場合は、パールが入ったシャッド系(ベイトフィッシュ系)のカラーもよい。光の差し込み具合や光の強さによってパール入りのカラー・パターンは効果を発揮する。
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ブルー・バック/チャートリュース/オレンジベリー |
[ルートビア/チャートリュース] きらめくグリーン・カラーが入ったカラーは、メーソンのお気に入りの一つだ。このカラーは、冬と春に自信を持って投げられるカラーだ。ザリガニをイメージしたカラー・バリエーションの一つだが、ブリーム(コイ科の魚)にも見える。アピール力はそんなに強くはないが、水に濁りが入り、水温が下がると、とても効果的なカラー・パターンとなる。
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ルートビア/チャートリュース |
[ルートビア] ルートビア/チャートリュースと似ているが、チャートリュースが入っていないルートビア・カラーは、少し白みがかったベリーとボディーサイドになっている。メーソンは、ルートビア/チャートリュースと同じような状況下で使うこともあるが、やはりよりクリアな水質で使うことが多いと言う。何故なら、ルートビア・カラーは、水により馴染み、目立ちにくいカラーだからだ。2月から3月にかけて、そして秋に再びシャロークランクでの釣りをよくするが、ルートビア/チャートリュースかルートビアのどちらかを選ぶことが多い。実際には、その日のフィールド・コンディションなどによって使い分けている。よく晴れていて水が比較的クリアな場合には、バスの視界はよく効く。そんな時はルートビアを選ぶことが多い。水の濁りが増したり、曇りの日にはバスにルアーを気付かせるためにルートビア/チャートリュースを選ぶとよい。
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ルートビア(ルートビア・フロート) |
[チャートリュース・バック/パール] ブラック・バック/パールのようなカラーは、夏から秋にかけてバスがベイトフィッシュを捕食しているような場合によいカラーだ。メーソンは、ベイトフィッシュ・ライクなカラーの代表として、ブラック・バック/パール・カラーを上げている。濁りが入り、しかもスポテッド・バスを狙っているのでなければ、ベイトフィッシュ・ライクなカラーと言えばブラック・バック/パール・カラーだ。もし私が、コーサ・リバーやスミスレイク(スポテッド・バス・フィールド)で釣りをするのであれば、スポテッド・バスはチャートリュース・カラーを好むのでチャートリュース・バック/パール・カラーを選ぶだろう。ベイトフィッシュの特徴や魚種による好みを考慮に入れてカラー選択をすべきだ。スポテッド・バスの特徴として他のバスより若干アグレッシブな性格なのでより目立つカラーがバイトへの効果的なアピールとなる。
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チャートリュース・バック/パール(チャートリュース・シャッド) |
[スプラッター・バック] このカラー・パターンもベイトフィッシュ・ライクなカラーだが、水が比較的澄んでいる場合は、ブラック・バック/パールよりも、このスプラッター・バック系のカラーを選ぶことが多い。何故なら、このようなカラーリングはルアーの存在や輪郭を分かりづらくするカモフラージュ効果が期待できるからだ。 |
REBELディープ・ウィーR スプラッター・バック |